「創る」第15号
8/16

積丹町でのジン生産のきっかけ積丹のボタニカル後志地方の北部に位置する積丹町は、ウニやナマコなどの海産物を中心とした漁業を基幹産業とする町です。人口は約2000人で、夏は採れたてのウニなどを求めて多くの観光客が訪れます。2015年に現(株)積丹スピリット代表の岩井宏文氏が代表取締役を務める農林漁業の6次産業化コンサルタント会社が町の依頼を受け、町内の未利用・低利用施設の有効活用方策を提案するパンフレット「その中で、木工デザイナーの煙山泰子氏がスコットランドの地形や気候と似ている積丹の地域資源を活かした積丹ジンの開発を提唱したのがきっかけとなり、本格的にジンの生産に向けた取組が開始されました。積丹町の周辺には、小樽市や余市町など、ワインやウイスキーといった酒類の有名な生産地が存在しており、町においてジンの生産を行うことで、小樽市から続く国道を「クラフト街道」と位置づけ、新たな観光資源としての活用を考えました。Re_ACT」を作成しました。スコットランドと地形や気候が似ている積丹町ですが、その特徴として、一年を通して冷涼な気候、自然に生育している多くの植物の存在が挙げられます。こうした自生植物を、ジンに香り付けするためのボタニカル(香草植物)として使用することで、積丹町のオリジナルかつ新たな特産品が生まれると考え、(株)積丹スピリットでは遊休町有農地を活用して、ボタニカルを栽培し、安定した供給の実現に向けて動き出しました。創る後志地方の積丹半島先端に位置する積丹町では、沿岸漁業と酪農のほか、畑作農業が営まれてきましたが、町の特産品であるウニやナマコといった従来の海産物に加え、新たな特産品として期待されるスピリッツのジンの生産が進められています。ジン生産の取組は、2015年より始まり、試行錯誤しながら2020年6月に第1弾となるジンの販売が開始されました。これまでのジン生産に向けた取組と今後の展望について積丹町役場企画課にお話を伺いました。取材者長船、坂野、岩崎)▲ボタニカルを栽培している畑画像:積丹ジン火の帆(HONOHO)KIBOU07(しゃこたんちょう積丹町

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る